食べる、というのは大事な田舎体験だと思う。「野菜はまずくて嫌いだったが、ここで食べたきゅうりはぜんぜん売ってるものとちがっておいしい」という感想があった。薪を作り、それでご飯を炊く。すぐコツをつかんで上手に炊いていた。炊飯器で炊いたのとまったくちがうのにはみんな感心していた。女の子たちが、ポテトチップスとスィートポテトを手作りしてくれた。毎日川へ潜って何か獲ってきては、七輪で焼いて食べていた男の子たちもいた。

今回、受入れ側の方針として、作業時間以外は学生にあれこれいわず、なるべく好きなように、一種「野放し」にしていた。そうすると、それぞれが個性を発揮して自主的に楽しみだす。何度かこれまでも来ている学生たちは特にそうだ。そうして、まずは何度も来てくれたらいいと思う。もちろん、ほんとに住んでみれば楽しいことだけじゃなく、厳しいこと、大変なことはたくさんあるわけだが、それは体験する前に口で言ってもしかたないこと、いつかもし、機会があれば、自分で学んでいくことだ。6日間の間に一人一人がそれぞれたくましさをみせ、それぞれの役回りを果たして、全体としては一つの大きな家族みたいにいい雰囲気だったと思う。

お忙しいスケジュールを縫って一緒に滞在しサポートしてくれた河音琢郎先生に心から感謝します。


昭和初期まで、熊野川河口付近でたくさん見られた川原家(台風時に建物ごと避難するため、解体、組立てが一時間くらいでできる簡易小屋)を、間伐材で復刻。中辺路町に緑の雇用で来ている元家具職人の羽鳥さんが、仕事の休みを使って古い設計図から作り上げ、現在敷屋小学校にモデルハウス(?)として展示中。雨だったこの日、羽鳥さんの指導を受けてみんなで解体と組立てを経験した。

日時 平成17年8月22日〜27日(5泊6日)
場所 熊野川町 旧敷屋小学校 
参加者 学生22名 教員1名 地元3名

 
夜も一人、照明で作業する小山さん。「変わった人にいろいろ会えたのがおもしろかった」と学生の感想にあったその一人。「すごい体力」「ずっと仕事してる」などなど。今では珍しい、土を扱う左官仕事。伝統の技術を新しく創造的に駆使する姿は楽しそう。それは、川原家を復刻した木工職人羽鳥さんにもいえること。自分の仕事が大好きで誇りをもっている、こうした若い職人さんに触れられたのも、今回の田舎体験の収穫だった。
和歌山大学経済学部のゼミ生が中心になって呼びかけ、立命館大学からも参加を得て、旧敷屋小学校で5泊6日合宿をしました。インターンシップとは本来、学生による職業経験をいいます。「田舎」は職業ではありませんが、、ここでいう「田舎」の意味をあえて翻訳すれば、「Do It Youself=自給を基本に据えた生活とその知恵」になるでしょう。職業を広く「どうやって食べていくか」という意味に捉えると、これもひとつのインターンシップです。台風接近のため農作業はあまりできませんでしたが、赤土でパン窯をつくったり、川原家の解体と組立てをしたりと内容は盛りだくさんでした。何より、TVもコンビニも携帯も無い場所で、畑でとれたものを食べて過ごすだけでも彼らにとっては新鮮な田舎体験だったようです。
赤土と石・砂・廃材の瓦で土台、それに竹を切り出して割って作ったひごで窯内径を編み、さらに赤土をのせる。龍神村の左官屋小山氏の指導のもと、みんなで協力して5日間で巨大な窯の大部分を仕上げた。さすが、若い力の人海戦術。1人では気の遠くなる作業もわいわいと進む。体力と手先の勝負。完成にはまだ、土の乾燥を待って何工程か経なければならないが、次回にはこの窯で調理できるだろう。
      
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